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笹幸恵
2023.12.15 17:31日々の出来事

天橋立で見たもの。

今週は京都に出張だった。
京都と言っても、日本海側。
1日に数本しかない特急に乗って2時間かかる。
せっかく行くのだからと、訪れたことのなかった
日本三景のひとつ、天橋立に立ち寄った。
あいにくの雨でしたが・・・。

しかも天橋立の全景を見るには、
丘の上に向かうリフトに乗らなければならない。
早速リフト乗り場に向かったら大混雑で
整理券を配布しているという。
しかも帰りも1時間待ち。
予定が押していたため、見下ろすのは諦めて
砂州をチャリンコでかっ飛ばして往復することにした。


さあ、行くぞ〜〜〜!!!
ここが、与謝野鉄幹・昌子の歌碑が建つ場所だ!
雪舟が描いた天橋立その場所だぁぁ!

途中、天橋立神社がある。
そこにお参りしようと自転車を停めたら・・・

あら!?!?

なんと大砲が!!!

アームストロング式15センチ砲の砲身。
説明板によると、軍艦「春日」に搭載されていたものを、
海軍思想普及のため大正12年、
海軍大臣より下付されたもの、とある。

大正デモクラシーの時代、その後の昭和前半からは
想像もつかないほど軍隊が軽んじられ、
志願者も少なかったといわれている。
ここを訪れる観光客にもアピールしようと
当時の海軍大臣は考えたのかな。

海外の戦地に行くと、旧式の艦の大砲が
陸地に据え付けられているのをよく見る。
とくに太平洋の島嶼は海軍の担任地域だったから、
陸戦隊の人々と共に旧式艦の大砲が沿岸に据えられ、
防衛の任に当たっていたのだ。

が、まさか天橋立で砲身を見ることになろうとは・・・
(なぜか観光案内のサイトなどには一切載っていないのよね)。

リフトに乗らず、地を這って良かった。
行ってみなければわからない、思わぬ発見がある。
笹幸恵

昭和49年、神奈川県生まれ。ジャーナリスト。大妻女子大学短期大学部卒業後、出版社の編集記者を経て、平成13年にフリーとなる。国内外の戦争遺跡巡りや、戦場となった地への慰霊巡拝などを続け、大東亜戦争をテーマにした記事や書籍を発表。現在は、戦友会である「全国ソロモン会」常任理事を務める。戦争経験者の講演会を中心とする近現代史研究会(PandA会)主宰。大妻女子大学非常勤講師。國學院大學大学院文学研究科博士前期課程修了(歴史学修士)。著書に『女ひとり玉砕の島を行く』(文藝春秋)、『「白紙召集」で散る-軍属たちのガダルカナル戦記』(新潮社)、『「日本男児」という生き方』(草思社)、『沖縄戦 二十四歳の大隊長』(学研パブリッシング)など。

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